2012年11月24日

「今、梅香&四貫島エリアがアーツい!! ボロ家が実はアトリエ 芸術で此花を活性化」

今、梅香&四貫島エリアがアーツい!! ボロ家が実はアトリエ 芸術で此花を活性化

2012.11.23 14:00 [関西の議論]

大阪市此花区の梅香、四貫島地区が今、アーティストやデザイナーら若いクリエーターたちの集うエリアになっている。地区内にある、借り手のない古いアパートや使われなくなった工場跡が彼らの住宅兼アトリエ、ギャラリーなどとしてよみがえり、街が若い力で活気づき始めたという。17、18日には、住宅兼アトリエなどを会場にした地域“再”活性化イベント「見っけ!このはな」を一帯で開催。今後も地域に溶け込みながら、創作活動を展開していく考えだ。

此花に住み着く若きクリエーター

大阪湾岸の此花区は、高度成長期に重工業を中心とした臨海工業地帯として栄え、梅香、四貫島地区は労働者らの住宅街だった。しかし、その後の景気低迷で、企業の撤退や移転などに伴って労働者が離れていって人口が減少。アパートや工場などの空き家も増えていった。

こうした状況を打開するきっかけになったのは平成17(2005)年、大阪大工学部(大阪府吹田市)の学生たちによる授業での取り組み。梅香、四貫島に着目し、空き部屋や空き地の活用方法などを探った。

翌年、不動産会社が協力し、この大学生たちが同地区の空き家に住み始めるとともに、「夢を持った若者を応援する街 梅香・四貫島」とのテーマを掲げ、このエリアにアーティストやデザイナーなどの活動を志すクリエーターを集める「此花アーツファーム」のプロジェクトが始動した。

その後、美術作家の藤浩志さん(52)が、元メリヤス工場棟をアトリエに改装して使用。これが、共同アトリエ「此花メヂア」となり、さまざまなアーティストたちが長期滞在するようになっていった。

安い家賃で集結

アトリエや住居となるアパートは風呂がないなど悪条件だが、2万〜5万円の家賃で借りられることから、最近では、学校を卒業し、アトリエを構えたいと思っている20代後半〜30代前半の若いクリエーターたちが集結。昭和の時代のままの雰囲気を残した部屋での暮らしを満喫したり、リフォームをして新しい空間にしたりと、活用方法はさまざま。現在では、こうしてアーティストやデザイナー、ミュージシャンら約20人が住んでいる。

17、18日に開かれた「見っけ!このはな」では、彼らの住宅兼アトリエなど22カ所を会場にして、作品展やワークショップ、ライブパフォーマンスなどを繰り広げた。

此花アーツファームの大川輝事務局長(35)は「此花に、若い人たちが増えれば面白い企画を次々と考えてくれる。地域の人たちも参加できるイベントをやっていきたい」と期待している。

梅香、四貫島地区のアーティストら10人による作品展「nama medias2012」が此花メヂア」で12月24日(午後1〜7時、火・水曜休み)まで、開かれている。問い合わせは、此花アーツファーム事務局((電)090・2386・0148)。(msn産経ニュースwest


 

昨今の梅香・四貫島地区の動きをうまくまとめた記事です。記事にはふれられていませんが、2009年の阪神なんば線の開通によって、このあたりは交通のアクセスも非常によくなりました。

キタやミナミ、天王寺にもすぐですし、神戸、奈良、和歌山方面へのアクセスもよい。(以前は関空特急も停車していたのですが)関空快速も通っています。地下鉄がないのが残念な程度です。

家賃のほか、食品などの物価も安い。昔ながらの商店街もにぎやかで、近くに大型スーパーやホームセンターも多くあります。

記事にもあるとおり、「昭和」のまま時間が止まっているかのような街。遠出して、西九条駅に帰ってくると、いつもほっとします。

あんまり柄がよくない(失礼)ところが玉に傷ですが、すぐに慣れますし、治安も悪くないと思います。

とにかくいろんな意味で「敷居」の低い街ですので、ご興味のある方は、ぜひ大川君に連絡してみて下さい。もちろん、梅香堂でも簡単なご相談には乗りますよ。
posted by baikado at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 梅香堂

2012年11月22日

前谷康太郎「distance」展オンラインカタログ

今回の前谷展では、梅香堂初のカタログを制作しました。A6・8p.・モノクロのささやかなものですが、作家ステートメント、私のテクスト、作品図版、年譜が収められています。

ご来堂いただいたお客さんには無料で差し上げていますが、「Issuu」によるオンラインカタログもアップしました。こちらはカラー版となっています。

昨今では印刷費も安くなり、非常に廉価にカタログが作れます。今後も余裕があれば制作していきたいのですが、最低でもこうしたオンラインカタログは続けたい。制作コストをのぞけば、パブリッシングは無料ですので。

お時間があれば、ご笑覧下さい。


posted by baikado at 16:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 梅香堂

2012年11月21日

「NAMA_MEDIAS medias connection vol.3」@此花メヂア

此花メヂアの前を通りかかると、水玉君たちが掃除に精を出していました。お疲れさま。

メヂアでは、下記のとおり「NAMA_MEDIAS medias connection vol.3」を開催中です。そういえばメヂアも、藤浩志さんのアトリエより、現在のような共同運営スタイルになってからちょうど三年だそう。

思えばこの三年間、メヂアもいろんなことがありました。地元の方々を含め多くの若者たちが出入りし、此花の一種のサロン的存在でした。あるいは現代の「若者組」ともいえるでしょうか。

新しく参加するメンバーあり、離れ、巣立っていくメンバーあり。このスペースは、いろんな意味で通過儀礼的な空間でもあったのかも知れません。共用部屋で、少し感傷に浸ってしまいました。

もしかすると、この三年間のメヂアのにぎわいは、その建物の最期を飾るにふさわしい、宴の時間だったのかも・・・。

現在の展示は、参加作家それぞれの個性が表れたヴァラエティに富んだもの。会期も長いので、少しずつ変化していく可能性があります。なお、米子君の作品の完成はおそらく来週以降?となりそうです・・・。

梅香堂と併せ、ぜひご来場下さい。


NAMA_MEDIAS medias connection vol.3

http://medias.sitemix.jp/medias-connection-vol3/

会期:2012年11月17日(土)〜12月24日(月・祝) 13:00 -19:00
火・水曜日休み 
入場:無料
会場:此花メヂア

【出展作家】
PlumBlossoms/スヌー/出口 惣一/ボン 靖二/Araki Mizutama/三浦 真琴/ヤマユウキ/吉川 かおり/吉原 啓太/米子 匡司

【わらしべ文庫あります】
わらしべ文庫はいらなくなった本や誰かに読んでほしい本を持ち寄って自由に交換できるという仕組みの本棚です。交換したい本がある方はどうぞ持って来て下さい。

【注意!】
此花メヂアは、アトリエでもあり、工房、ギャラリー、倉庫、住居など多目的に使用されている場所です。
展覧会、イヴェント期間中であってもタイミングによっては、作業現場、生活現場に遭遇することもございます。
予めご了承ください。

此花メヂア
〒554-0013
大阪府大阪市此花区梅香1-24 -21

※梅香堂より徒歩すぐ

電車でお越しの場合
阪神なんば線千鳥橋駅より徒歩5分、またはJR大阪環状線西九条駅下車徒歩10分

posted by baikado at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 展覧会のお知らせ

2012年11月20日

祭りのあとの休堂日に思う

ここ十日間ほど、前谷君の展覧会や、「見っけ!このはな」などでバタバタしていましたが、今日はやっと一息つけた感じです。

ひさしぶりに梅香堂で洗濯を。ほんとうにひさしぶりではないかと思います。

一階の作品のスクリーンのペンキ塗り。実はこのスクリーン、安全を見て少し小さく作ってしまったので、急遽L字型に縁を足して大きくしたのですが、どうもその部分の白色が合わない。もう一度塗ってみたのですがやはりちょっと・・・下塗りの塗料が異なるためか。

先ほど、モトタバコヤ前を通ると、見っけ!事務局の中島さんが掃除をしていました。終了してどこかほっとした表情。お疲れさまでした。

つらつら今年の「見っけ!」について考えると、昨年まであったプログラムで今年なくなっているものに気づきました。「物件ツアー」です。

私は、この「物件ツアー」こそが、「見っけ!」のメイン・プログラムではなかったか、と思います。もともと「見っけ!」の目的は、「梅香・四貫島地区の(訳あり・面白)物件に、アーティストなどに住んでもらう」ことだったのではないでしょうか。

展示やイヴェントは、その物件紹介のためのいわば「賑やかし」みたいなものだった。それがいつのまにかに、作品展示やイヴェントが目的となってしまった(少なくとも多くの参加関係者にとって)。つまりよくある地域系アート・イヴェントと変わらぬものになってしまった。

コア・ターゲットはあくまで「この地域に住みたい、アトリエなどを持ちたい」という関心を持つ人々であり、あとは地域の人たちに併せて楽しんでもらえるような、ささやかなイヴェント=お祭りでよかったのではないか・・・。

この地域に移り住む人が増えれば、結果的に一日や二日のイヴェントのアート好きなお客さんとはまったく異なった、地域への持続的な刺激となる可能性があるはずです。

昨日書いた「見っけ!」の「原点回帰」への、個人的な思いです。

posted by baikado at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 梅香堂

2012年11月19日

前谷康太郎展オープン/見っけ!このはな2012終了

一昨日、前谷康太郎「distance」展、および「見っけ!このはな2012」が無事オープンし、昨日、「見っけ!」は終了いたしました。

悪天候の中、ご来場いただいた多くのお客さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。

前谷君は、昨年六月の個展のあと、この一年ちょっとの間に、個展二回、グループ展四回をこなしてきました。昨年までは「新人」といった印象でしたが、すっかり成長した感じです。今回の作品も、コンセプトがより明快になり、逆に表現には深みが出ています。まさにこの一年の経験の集大成といえる展示となっています。

私がいうのもなんですが、昨今、なかなか人に感動を与える作品に出会うことは難しい。前谷君の作品は、大げさにいえば、一種の宗教体験的な崇高さを呼び起こすようなところがあります。ぜひご来堂いただき、作品をお楽しみ下さい。

「見っけ!」は、初日が悪天候にみまわれ、お客さんの出足が悪かったのが残念でした。いくつかのプログラムも変更になったようです。しかし昨日は天気も回復し、それなりの人出でにぎわったよう。事故もなく無事に終了したのはなによりでした。

梅香堂が「見っけ!」に参加するのはこれで四回目です。2009年はまだまだ無名の地域イヴェントという印象でしたが、年々規模が大きくなり、今年は60以上のプログラムがあったようです。参加関係者数も増え、私もその半数くらいしか面識がないほどです。個人的には、権田直博君の「足風呂ンティア」が楽しかった。

ところで、正確な数字は分かりませんが、どうも今年は、昨年より来場者数が少なかったように思えます(一日雨だったことを差し引いても)。原因はいろいろ考えられますが、こうした「街歩き系アートイヴェント」の流行のピークが過ぎた可能性、また五年間続けた「見っけ!」や此花地区が、その知名度は上がったものの、逆に新奇性を失った可能性もあるでしょう。

来年に向けて、このあたりで一度原点に回帰し、コンセプトやターゲットを見つめ直す、よい機会であるかも知れません。

いずれにせよ、いくつかの新しいスペースも増え、驚くほどにぎやかになった梅香や四貫島。愛すべき下町の風情を遺しつつ、ユルいながらも?活力のある街になってほしい。

とにかく、前谷君、「見っけ!」関係者のみなさん、お疲れさまでした・・・。

posted by baikado at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 梅香堂