京都の龍谷大学龍谷ミュージアムさんで、「企画展 若狭・多田寺の名宝」を開催中です。
残念ながら、私はまだお邪魔できていませんが、仏像にご興味のある方には必見の展覧会です。
「多田寺の秘仏本尊・薬師三尊像が、寺外で揃って初公開されることになりました。この展覧会では、新発見の仏像・仏画を含め、多田寺に伝来した宝物のすべてが展観されます」というもの。
小浜市・多田寺さんの薬師三尊像は、元来一具のものではありませんが、おそらくみな奈良時代にさかのぼる貴重な木彫像です。
私は若かれしころ、このうち右脇侍の十一面観音菩薩立像を、展覧会に出品していただいたことがあります。当時この三尊は、平安時代初期の作とされていました。
私は展覧開会期中、記録のためにこの十一面観音像の写真撮影を行いました。その際、薄暗い展示室でふとその後姿を見て驚きました。まるで生きた人間が立っているように見えたからです。
正面より拝すると、どこか地方作らしいぎこちなさがありますが、実はきわめて写実的な彫刻なのです。この仏像は奈良時代にさかのぼると確信し、拙いながらも論文にまとめました。私の初論文です。
個人的に思い出深い仏像なのですが、とにかく、この三尊がそろっての寺外公開は、大変貴重だと思います。同じく展示されているであろう四天王立像も、平安時代前期とされていますが、もっとさかのぼる可能性があるのではないか・・・。
今春、見逃せぬ展覧会の一つです。
2013年(平成25年)2月9日(土)〜4月7日(日)
休館日…月曜日(祝日の場合は翌日)
午前10時〜午後5時
※最終入館は4時30分まで
○一般 700(500)円
○高大生 500(300)円
○小中生 200(100)円
※( )は20人以上の団体料金
会期中の展示総数約50点
(1) 多田寺の秘仏本尊
(2) 多田寺の仏像
(3) 多田寺の歴史と宝物
(4) 若狭の薬師信仰と寶泉院の宝物
■記念講演会
(1)「若狭の仏像と多田寺」
芝田寿朗氏(福井県立若狭歴史民俗資料館館長)
2月23日(土)13:30〜15:00
龍谷大学大宮学舎清和館3階ホール
(※会場は龍谷ミュージアムとは異なります)
先着200名まで
(2)「多田寺を取り巻く歴史と文化」
杉本泰俊師(元小浜市立図書館館長)
3月9日(土)13:30〜15:00
龍谷大学大宮学舎清和館3階ホール
(※会場は龍谷ミュージアムとは異なります)
先着200名まで