2013年08月31日

あいちトリエンナーレ2013

一昨日、昨日と、「あいちトリエンナーレ2013」へ(岡崎会場は未見)。

一言でいって、よい展覧会でした。「揺れる大地―われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」というテーマに、しっかりと答えた企画といえるのではないでしょうか。

企画者、アーティストやその作品たちは、われわれは過去も現在も未来も、常に揺れる大地に立っていると伝えたかったのではないか。

大震災から二年以上を過ぎた今だからこそ可能となった企画ともいえます。大震災以降、散見された類似のテーマの駆け込み企画?とは、一線を画していると思います。

外国人アーティストたちに比して、日本人アーティストたちが、一見、物足りなく見えるところにも、冷徹なリアリティがある。

「大文字」のアートの抱える大命題に踏み込んだ、好企画だと思いました。

おすすめします(10/27まで・月曜日休場があります)。

土日祝、会期後半は混雑するかも知れませんので、平日、会期前半がよいかも・・・。

posted by baikado at 22:49| Comment(0) | 美術

2013年08月26日

「花代 写真展」@梅香堂

下記のとおり、花代さんの写真展を開催いたします。

カラー作品で有名な花代さんですが、今回はモノクロームの新作約20点を展示予定です。

写真が本質的にそなえる男性原理から、つねに逸脱する表現を追求してきた花代さん。そのあらたな展開にご期待下さい。


花代 写真展

2013年9月14(土)日〜10月27(日)日 13:00〜19:00

火・水曜日休堂 入堂無料

※オープニング・パーティ 9月14(土)日 17:00〜 無料

協力:ギャラリー小柳

1996年に発表された写真集『ハナヨメ』などによって、ガーリーフォトの草分けとされた花代。何気ない日常という被写体は変わらぬものの、当初の明るくポップな作風から、より幻想的で叙情的な写真へと変化を続けています。本展では、花代のあらたな試みである、一昨年以降に撮影された未発表のモノクローム作品をご紹介いたします。


花代 hanayo

http://www.hanayo.com/

1970年生まれ。アーティスト。写真、音楽、パフォーマンスなど、その活動は多岐におよぶ。2010年に活動拠点をベルリンより東京に移す。

近年のおもな個展に、「物理的心霊現象のメカニズム」(パラボリカ・ビス/2010)、「colpoesne」(NOW IDeA/2010)、「Doppelgänger N Da Hood」(limArt/2012)、「ベルリン hanayos saugeile kumpels」(NADiff・蔦屋書店/2013)、「Berlin」(タカ・イシイギャラリー京都/2013)。グループ展に「ギャラリールルーのこけら落とし企画展:花代 飴屋法水 KATHY」(浅草橋Le lieu/2012)、「THE SNAP CARDIGAN SHOW」(アニエスベー青山店ほか/2012)。近年のおもな写真集に、『MAGMA』(赤々舎/2008)、『colpoesen』(ユトレヒト/2010)、『よ な は Coming Soon』(天然文庫/2011)、『Doppelgänger N Da Hood』(limArt/2012)、『ベルリン hanayos saugeile kumpels』(月曜社/2013)などがある。

posted by baikado at 08:59| Comment(0) | 展覧会のお知らせ

2013年08月09日

Nadegata Instant Party@伊丹アイホール

アイホールさんよりチラシを送っていただきましたが、閉堂中で配布できないのでこちらに。

下記のとおり、中崎君たちのNadegata Instant Partyが、伊丹アイホールさんでパフォーマンスを行います。その制作アシスタントメンバーを募集中で、8/19に説明会があります。


Nadegata Instant Party 「CHAIN REACTION TOUR/チェーン・リアクション・ツアー

パフォーマンス開催日:2013年9月23(月祝)日 14:00-

場所:アイホール(伊丹市立演劇ホール) JR伊丹駅

※制作アシスタント募集:

活動期間 9/13〜9/23 10:00-22:00

18歳以上/9/23を含み四日間以上参加/10人程度/旅費・報酬なし

9/1までにアイホールに申し込み

※募集説明会

8/19(月) 19:30-21:00 アイホールにて

当日飛び入り参加可

posted by baikado at 17:09| Comment(0) | 美術

2013年08月08日

あいちトリエンナーレ2013開幕

いよいよ、8/10より「あいちトリエンナーレ2013」が開幕します。梅香堂関連では下道基行君、中崎透君、米子匡司君が参加します。

前回より予算規模は小さくなったそうですが、それでも中部最大規模のアート・イヴェント。いわゆる地方で開催されるアート・ツーリズム的なものとは異なり、「都市」の魅力をいかに引き出すかがそのテーマとなります。

大震災以降の都市におけるアート・イヴェントのありかたを問うものといえ、「都市を覚醒せよ」というコピーも気合い?を感じます。

下道君は、納屋橋の東陽倉庫テナントビルで、「いろいろな旅で集めてきた<境界のかけら>と、あいちの中学生たちから集めた話<14歳と世界と境>、そんな”大きな境界線”と”小さな境界線”を集めてきて編集したものを見せてみようと思っています」そうです。写真だけではなく、文章やモノ中心の展示となるらしい。

中崎君は、Nadegata Instant Partyとして、長者町の古い中部電力開閉所跡に、「架空の特殊撮影スタジオ[STUDIO TUBE]を開設し、最終作とされる映画の撮影現場の追体験と、このスタジオで製作された8つの代表作をめぐる回遊式のインスタレーション」を展示します。先日展示作業をちらりと見てきましたが、なかなか大がかり。はたして間に合うのか?

米子君は、その創立メンバーであるSjQ++として参加。同じく長者町名鉄協商パーキング長者町第3で、10/19 19:30より屋外ライヴ・パフォーマンスを行う予定です。SjQ++は、今年アルス・エレクトロニカの優秀賞を受賞。その凱旋公演?となるそう。彼らのパフォーマンスが「映像プログラム」に分類されているのはちょっと???ですが・・・。

もちろんほかに数多くの展示やプログラムがあり、とても一、二日では回れそうにない内容です。

会期も長いですし、名古屋周辺の方以外もお時間を見つけてぜひどうぞ。

posted by baikado at 21:21| Comment(0) | 美術

2013年08月04日

名古屋へ:幸村展やNadegataなど

昨日は名古屋芸術大学さんでの最後の授業日。終了後、長者町へ向かいました。

まず、T君に教えてもらった「幸村真佐男展/LIFE LOGー行雲流水ー」へ。シェアオフィスである長者町トランジットビルの一階と地下を使った展覧会です。

幸村さんといえば、日本のメディアアートの草分けといえる大御所のお一人。名古屋で長く教鞭を取られているので、教え子や関係者も多く、今回の個展となったのでしょうか。

前々職場でも展示されていた「バベルの図書館」はなつかしい。その後いろいろヴァージョンアップされているよう。

新作「LIFE LOG」は、「幸村がこれまでに日常的に撮り溜めてきた300万枚に及ぶ写真。その全ての写真を秒30コマのフレームに落とし込み、約27時間30分間の映像化を目指すというもの」だそうです。「行雲流水」という四字熟語のうち、「雲」と「水」の文字を固定し、残り二つをランダムな漢字に置き換えた熟語が、写真の一コマ一コマに、重ねられています。

ハイスピードでコマ映しされていく膨大な写真。右隅の四字熟語はまるでタイムコードのカウンターのよう。思わず見入ってしまいます。幸村さん、まだまだお元気ですねえ・・・。

しかし、このインスタレーションの「音」はいただけません。他のアーティストさんに作ってもらったらしいのですが、あまりに凡庸です(失礼)。サイレントのほうがよかったのでは・・・。

開催されていたスペース、N-MARK B1さんは展示を含め何かとしっかりした印象。聞けばかなり長く名古屋でアートプロジェクトを続けてこられたそう。

長者町筋を上って、あいちトリエンナーレの出品作品を制作中の、Nadegata Instant Partyの現場へ。突然行ったので、壁画を描いていた中崎君もびっくり。

多くのヴォランティアさんたちなどでごったがえす、現場を案内してもらいました。ネタばれになるので、くわしくは述べませんが、今回、法規上の問題があって展示会場を自由に使えないことが、逆にプラスになっているように感じました。

エクステリアとインテリア、インスタレーションと映像などのバランスが、もしかすると今までのNadegata作品の中では一番よくなる予感がします。

オープンまであと一週間足らず。みなケガなどしないよう頑張って。

帰りにアートラボあいちさんに立ち寄り、旧知の皆さんとしばし歓談。偶然、渡辺英司さんにもお会いできました。

思えば、三年前のあいちトリエンナーレから、名古屋もだいぶ変わった気がします。もちろんトリエンナーレ以前より頑張ってこられた方々の努力があってのことと思いますが、アートシーンが活性化している気がします。

ふりかえってみれば、たとえば2009年の水都大阪以降の大阪のシーンはどうなのか。知らぬ間に、いろんな理由から名古屋に水をあけられた感があるのは、私の思い過ごしでしょうか・・・。帰り道、いろいろと考えさせられました。

posted by baikado at 20:57| Comment(0) | 美術