「夏の大△」の大城真君が出品している「ギャラリストのまなざし」に早速行ってきました。
床に置いた大きなウーファー(低音用スピーカー)に紐を取り付け、天井まで紐を張り巡らせ、人間の耳には聴こえない低音を再生し、紐をゆらす作品。紐をストロボで照らすことによって、紐が波打って見えたりします。
小さなスピーカーが天井より吊るされており、それを三台のブラウン管テレビのホワイトノイズで囲み、照らしている作品。こちらもブラウン管のノイズ(走査線)の影響で、低音を発しているスピーカーの表面がゆらいで見えるらしい。
いずれも「夏の大△」や2010年のICCでの個展で発表された作品に通じるもので、簡単に言えば、聴こえない音を可視化した作品と言えるでしょう。
大城君は、いわゆる音楽畑の人ですが、こうしたサウンド・インスタレーションと呼びうる作品を作っています。
音楽畑の人のインスタレーションを、私のような美術畑の人間が見ると、素っ気なく見える場合が多い。ある種の実験装置のようなものを眺めている気になる。しかしそれは、私たちがあまりにも美術の「作法」に慣れ親しんでいるがためかも知れません。逆に音楽畑の人が美術作品を見ると、その作法に違和感を感じるかも知れない。
大城君の作品は、いわば音楽と美術の中間にあって、美術の作法の、さらにはその制度の奇妙さを浮かび上がらせている気がします。12/8まで。無休です。