2013年12月26日
前谷康太郎アーティスト・トーク@ICC
お時間があればぜひどうぞ。
アーティスト・トーク
前谷康太郎(エマージェンシーズ! 021 出品作家)
新進アーティスト紹介コーナー「エマージェンシーズ!」にて「further/nearer」を展示中の前谷康太郎によるアーティスト・トークを開催します.
ゲスト:桝田倫広(東京国立近代美術館研究員)
司会:畠中実(ICC)
日時:2014年1月18日(土)午後2時より
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 4階 特設会場
定員:150名(当日先着順)
入場無料
2013年12月23日
本年もありがとうございました。
本日をもちまして、梅香堂の今年の営業は終了とさせていただきます。
本年一年、おいでいただきました多くのお客さん、展示いただいた作家のみなさん、関係者のみなさんに心より感謝申し上げます。
おかげさまで、何とか無事一年を終えることができました。毎年綱渡りのような状況ですが、心身ともに健康で過ごすことができたことを素直に喜びたいと思います。
梅香堂も開堂四年を過ぎ、当初は考えが及ばなかったさまざまな問題も見えてきました。私の能力や努力不足によるものが大きく、結果として作家さんや関係者のみなさんにご迷惑をかけていることを、心苦しく思うことが多々あります。
また昔から計画性がなく、あまり先のことを考えない性格でしたが、歳を取ってくるとそれが直るどころか、よりひどくなる感もあり、反省しきりです。
来年は五年目を迎えます。おそらく梅香堂の一つの区切りとなるような気がしています。気を引き締めて、新年を迎えたいと思います。
なお、新年は1/9(木)より、引き続き、下道基行「torii」を開催いたします。来年もよろしくお願い申し上げます。
2013年12月21日
今年のベスト3
年末ですので、頼まれてもいませんが恒例の今年のベスト3の展覧会を。
生来の出不精に加え、今年は家庭の事情などもあって、とくに展覧会を見に行くことが少なかったように思います。
そのため、関西に限っても重要な展覧会を見逃していることもあるかも知れません。あくまで管見かつ独断と偏見によるものです。また順番は会期順です。
1.「若狭・多田寺の名宝」@龍谷大学龍谷ミュージアム 2/9〜4/7
1987年に私が生まれて初めて本格的な展覧会を担当した際に、快く貴重な仏像を出品していただいた思い出のお寺です。そのご本尊、両脇侍揃っての展示は、まさに感無量でした。
現在は現代アートが中心の私ですが、いわゆる古美術のすばらしさ、大切さを知らしめてくれた仏像に再会できたのはありがたかった。
会期中に恩師、大先輩といえる若狭の永江秀雄さんがお亡くなりになったことも忘れがたい。
2.「古民家 山崎邸と9つの表現〜現代アート作家9人によるアート展〜」@山崎邸(粉河・和歌山) 3/3〜10
出品していた妻木君たちと一緒に行ったのですが、作品はもちろんその小旅行がとにかく楽しかった。私はあまりこうした企画は好きではないのですが、山崎邸の素朴なよさと、妻木君の幻想的な作品たちがマッチしていてすばらしかった。
妻木君が作品の前に結界として置く枝をどう配置するかで、一日中迷ったというエピソードもよかった。
会場のスライドショーがYoutubeにありました。
3.「映画をめぐる美術―マルセル・ブロータースから始める」@京都国立近代美術館 9/7〜10/27
壮大な?テーマに果敢に挑戦した意欲的な企画展。作品の緩急にやや乏しい印象もありましたが、作家、作品ともよく考えられた展覧会。目新しさで話題になるような展覧会ではありませんが、昨今のギャラリーの展覧会の拡大版のようなものとは一線を画す、まじめな企画だと思いました。京近美さんは、時々こうしたマニアックな展覧会を開催されるので好きです。
来年春に、東京国立近代美術館さんへ巡回予定です。
※番外として、「のせでんアートライン 妙見の森 2013」における、梅田哲也君の作品をあげておきます。誰も見に来ない(失礼)ようなところに、力作を発表するところが梅田君らしい・・・。
2013年12月19日
年末年始の開堂日について
今年の梅香堂の開堂日は、12/23(月)まで、年始の開堂日は1/9(木)より。下道基行「torii」は、1/19(日)までとなります。
下道君の作品は、お客さんによって反応もさまざまです。
私は、見る側によってさまざまな解釈ができる作品が、よい作品の十分条件だと思っています。もちろんさまざまな解釈ができることが、その作品の分かりにくさにつながらないことが大切です。
翻って見れば、見る側に単一な解釈しか許さず、それが分かりやすさにつながっているような作品は、つまらないものが多い。
ところが、最近は芸術作品に限らず、あらゆる思想や表現において後者のようなものが多すぎる気がします。
饒舌さが説明に過ぎず、膨大な情報量が字義どおり、解釈の豊かさを阻んでいるような時代はどこか息苦しい・・・。
会期も後半になりました。ぜひお見逃しないよう。
ご来堂をお待ちしております。
2013年12月17日
「定窯・優雅なる白の世界―窯址発掘成果展」@東洋陶磁美術館
ひさしぶりに中之島の大阪市立東洋陶磁美術館さんへ。
大阪駅の地下で迷います。もう四年も住んでいるのに・・・世界一アクセスの悪い駅であることを再認識。
「定窯(ていよう)・優雅なる白の世界―窯址発掘成果展」は、近年の出土品によるもの。完形品はなく、出品点数も少ないので、どこか地味な印象ですが、伝世品にはない初々しさがすばらしい。
窯址の発掘成果なので、作陶にあたってのさまざまな器具(部材)も展示されており、きわめて興味深いものでした。
東洋陶磁さんは「美術館」であるため、仕方ないのかもしれませんが、もっと定窯に関する最新の考古学的な知見や、科学的な分析結果を展示してほしい。
あの白磁の胎土はどこの、どのようなものなのか、釉薬は・・・などなど、興味は尽きません。
陶磁器は美術品であることはもちろん、常にその時代の最新テクノロジーでした。同時開催の「人間国宝 塚本快示―定窯白磁の美を追い求めて」を見ると、千年以上前の白磁をコピーすることの難しさがありありとわかります。
また、黒釉の碗もすばらしかった。平常展も併せてぜひ。3/23まで。