ちょっと遅くなってしまいましたが、先日のFLOATさんでのライヴについて。
これはslonnon君のHPに;
『 No speaker → No complain → No Police ! ... 』
S l e e p e r H a l l u c i n a t i o n C a m p i n g は、、、
スピーカー等のサウンドシステムを使用しないイベントです。
とあるように、お客さんはFMラヂオとヘッドホンで音楽を聴くライヴなのです。
そして各プレーヤーはFLOATの二階で演奏し、基本的にお客さんの目に触れない。お客さんはヘッドホンの音と、FLOATの外壁にプロジェクションされた映像だけを鑑賞します。
このような企画はほかにもあるのでしょうが、FLOATの独特の空間とあいまって、なかなか興味深い体験でした。
通常のライヴでは、われわれの視線はプレーヤーに集中します。当然その「パフォーマンス」が音楽(映像)体験の重要な部分を占めるわけですが、このイヴェントにはそれがない。
ですから、われわれはその隠された部分を想像しながら体験していくことになります。それはあるもどかしさを伴うものですが、同時に、「自由」な体験ができるとも言えます。
空間的に束縛されることもなくウロウロでき、ヘッドホンですので、お客さん同士の会話も許される。飲食なども自由。プレーヤへのまなざしがないことは、プレーヤーからのまなざしもありません。
ライヴの最大の魅力でもある「臨場感」を捨てることによって、ある種の中間的な音楽(映像)体験の場が出現している。
たとえば今回、ハイチの矢代君はUstream経由での演奏だったのですが、もとよりすべて「隠された演奏」であったので、そこに違和感はまったくなかった。
あまりの寒さに中座してしまい、たゆたうさんの演奏を体験できなかったのは残念でしたが、みなの演奏そのものもよかった。
いつか暖かい時期に、梅香堂でもやってもらいたいなと思いました。
ちょっと矛盾した表現ですが、あの中間的な体験はライヴでないと伝わりません・・・。