2012年10月04日

「大阪人権博物館:寄付金募り運営継続 府市補助打ち切りで」

大阪人権博物館:寄付金募り運営継続 府市補助打ち切りで
毎日新聞 2012年10月04日 大阪朝刊

 

大阪府市が来年度からの補助金打ち切りを示している大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)が、来年度以降、一般からの寄付金で運営を続けると決めた。4日に記者会見を開き、発表する。
同館は、年間収入約1億4000万円のうち約85%を府市の補助金で賄ってきた。来年度以降の年間予算について、個人から約5000万円、企業・団体から約6000万円の計1億1000万円を目標に寄付金を募るという。入館料収入などを合わせて従来に近い額の予算を維持する。寄付金は、今週中にも募集を始める見込みだ。
他方、府市には今後も「人権問題について行政の役割を果たしてほしい」と支援継続を求める。
同館は85年開館。被差別部落や在日コリアン、アイヌなどの差別問題について展示してきた。橋下徹市長と松井一郎府知事は今春、展示内容が「子供が夢や希望を持てる施設になっていない」などとして、補助金打ち切りを決めた。同館は「人権問題に関心を持つ方々に支えていただく博物館になりたい」と話している。【鈴木英生】

 

大阪人権博物館さんのホームページのトップに;

 

【全国の皆さんへのアピール】

リバティおおさかの運営継続と発展のため、皆さんに支援を訴えます
 

とのメッセージが載せられています。こちらには寄付金の目標額は、二年間で一億二千万円とされています。

 

いずれにせよ、このご時勢の中、これだけの資金を寄付により確保していくことは困難を極めるでしょう。

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2012年07月29日

「リバティおおさか存続を 全国ネット発足」「大阪人権博物館:存続の危機 府市の補助金打ち切り」

とりあえずのメモ。最近バタバタしていて落ち着いてブログを書く時間がありません・・・。

記事中にある「リバティおおさかの灯を消すな全国ネット」さんのサイトはこちらのようですが、まだコンテンツはないようです。http://libertyouennet.blogspot.jp/

 


 

リバティおおさか存続を 全国ネット発足

2012年07月22日

 

府と大阪市の来年度以降の補助金廃止方針が決まった大阪人権博物館(リバティおおさか)の存続を訴えようと、大阪市浪速区の同館で21日、全国ネットワーク「リバティおおさかの灯を消すな全国ネット」の設立集会が開かれた。

ジャーナリストや部落解放同盟など約200の個人・団体が呼びかけた。貧困問題に詳しい元内閣府参与の湯浅誠さん(43)が、差別を伝える同館の展示を「ネガティブ」とした橋下徹市長に対し「暗く厳しい現実を直視しなければ問題はもっと大きくなる」と指摘。

大阪HIV薬害訴訟原告団代表でネット共同代表に就いた花井十伍さんは「訴訟は薬害スモン患者やハンセン病回復者との出会いに助けられた。そうしたつながりをつくり、見えない人権を可視化して伝えてきたリバティは世界に誇れる」と語った。当面、補助金廃止の撤回を求める署名活動とカンパの呼びかけを進める。(朝日新聞

 


 

大阪人権博物館:存続の危機 府市の補助金打ち切り 問題知る場なくせば差別は消える?

毎日新聞 2012年07月25日 東京夕刊

 

国内で唯一の人権に関する総合展示施設、大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)が、存続の危機に直面している。年間10億4000万円の収入のうち約85%を占めていた大阪府・市の補助金が、今年度で打ち切られるためだ。行政が人権問題についての施設費用をまかなう意味と、補助金打ち切りの背景を、識者らの言葉から探った。【鈴木英生】

 

同博物館は、1985年開館。部落差別を筆頭に、アイヌ▽在日コリアン▽沖縄▽女性▽ハンセン病▽薬害エイズ−−など、さまざまな問題を取り上げる。展示資料は約2000点。文書やパネルを並べるだけでなく、実物大で再現したアイヌのチセ(家)、沖縄や朝鮮半島などの民族衣装が着られるコーナーなどもあり、多面的だ。

橋下徹・大阪市長と松井一郎・大阪府知事は今春、展示が「差別と人権に縛られている」「子供が夢や希望をもって将来像を描く施設になっていない」などとして、補助金打ち切りを決めた。

博物館の関係者らは、補助金打ち切りを「人権教育の危機」と憤る。以前は橋下市長自身、「僕は、人権という教育は絶対必要だと思ってますので、ここはもう崩さず」(府知事時代の2009年に博物館リニューアルを求めた際の府議会での発言)などと語っていた。

そもそも人権問題の展示施設を、行政が支えてきたのはなぜか。人権博物館の元理事長でもある元木健・大阪大名誉教授(社会教育学)は「『社会教育法』で説明ができます」と話す。

一般的に、博物館の設置運営は、同法に基づく社会教育の一環とされる。同法は、国や地方公共団体が「市民の自主的な社会教育活動のための環境醸成」をしなくてはならないとする。「同法は、博物館など施設の設置運営どころか、集会の開催や資料の作成・配布までも、行政の責務としています」(元木さん)

数ある社会教育活動の中から行政がどれを支援すべきかは、市民のニーズに基づくとされる。ただし、元木さんは「このニーズには、要求課題と必要課題の二つがある」と説明する。

要求課題とは、実際に住民が行政に要求しているもの。これに対して必要課題は、「多くの市民が求めていなくても、憲法や教育基本法が求める、民主社会を築くために必要な課題です」。目に見える要望がなくても、行政には率先して取り組むべき課題があるわけだ。ましてや人権博物館は、憲法が保障する基本的人権の侵害について学ぶ場。行政が支援して当然、むしろ「本来は国が運営すべき施設」と、元木さんは強調する。

しかも、人権博物館の維持は、要求課題でもある。部落解放同盟浪速支部は補助金打ち切りに反対し、博物館周辺の住民から5月の10日間で2730筆の署名を集めた。住民は約3600人だから、同支部の米田弘毅書記長は「就学前の子供や署名期間中ずっと留守にしていた人を除き、住民のほぼ全員が署名したはず」という。

橋下市長は、元木さんに「子供の頃、人権教育に反発した」と語ったことがあるという。元木さんは「大阪の人権教育は世界的にも極めて高い水準にあるが、原理主義的な行き過ぎや、教員の未熟さから十分な指導ができない例もあった。橋下市長は、その悪い面をもろに受けてしまい、反差別一般に嫌悪感をもったのでは」と分析する。

ある博物館関係者は言う。「市長は、差別問題について知る機会がなくなれば、差別自体がなくなると思っているのでは。差別に屈せず生きてきた人々の歴史を学ぶことからこそ、差別解消への道もあると、私たちは思うのだが」

在日コリアン2世でもある姜尚中・東京大教授(政治学)は「橋下氏がターゲットとする施設に、人権博物館と、住友財閥の寄付で戦前に建った府立中之島図書館が入っているのは象徴的だ。さまざまなマイノリティーやマジョリティーが形作ってきた複雑な世の中全体を否定して、競争原理だけに基づく社会をつくりたいという思考が、背景にある気がする」と話している。

 

◇反対署名など展開

人権博物館は今後について「来年4月からの博物館のあり方は、関係諸機関・諸団体と協議する」としている。

部落解放同盟大阪府連などは「リバティおおさかの灯(ひ)を消すな全国ネット」を設立し、補助金打ち切り撤回を求めて運動している。同ネットは署名活動のほか、昨年度より2割削減された今年度の補助金を穴埋めするためのカンパ活動も展開中だ。

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2012年06月05日

人権博物館に“最後通告”予算措置 橋下氏、大阪市音楽団には「ダメ出し」

人権博物館に“最後通告”予算措置 橋下氏、大阪市音楽団には「ダメ出し」
2012.6.2 23:37

 

大阪市の今年度本格予算編成に向けた市長ヒアリングが2日行われ、橋下徹市長が本格予算案に計上しない方針を示していた大阪人権博物館(リバティおおさか、浪速区)への8月以降分の運営補助金について、前年度同期比2割カットの2646万円に減額し計上することが承認された。ただ、来年度以降の補助金打ち切りが前提で、市は今年度中に自立か解散の方向性を出すよう、運営財団に“最後通告”を突きつけた。
市によると、今年度当初予算に補助金7158万円を計上した大阪府も、8月以降分は同様に約2割カットとする方針。
府市の補助金は同館の年間運営費の約8割を占めており、運営財団の解散も現実味を帯びてきた。一方、常勤職員12人に支払う退職積立金は「ほとんど残っていない」(市担当者)のが現状。橋下市長は「給料や退職金は収入の範囲内で考えるべきだ」として、財団の基本財産(約8900万円)を退職金に充てることは認めない姿勢をみせた。
橋下市長は、財団法人「大阪国際平和センター」(ピースおおさか、中央区)については「展示がおかしいと指摘し、ワンチャンスを与えたリバティとは違う」と述べ、2620万円の計上を承認した。ただ、自身が設置を打ち出した近現代史教育施設と「二重にやる必要はない」とも述べ、将来的に廃止する可能性も示唆した。
一方、市政改革プラン素案で、25年度までに市直営方式を廃止するとしている市音楽団について、市教委は廃止時期を1年先延ばし、25年度末まで自立化に向けた検討や準備を進めるとする代替案を提示した。
これに対し、橋下市長は公演収入などを差し引いた運営経費4480万円の予算要求を問題視。「(約4億円の)人件費を税負担しているのだから、それ以外の事業では利用者負担を求めて収支均衡を図るべきだ」と批判し、現計画では廃止時期延長は認めない考えを示した。(msn産経ニュースwest

 

とりあえずのメモ。

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2012年06月03日

橋下市長、人権博物館の補助金「これが最後だ」

橋下市長、人権博物館の補助金「これが最後だ」

 

大阪市は2日、大阪府・市が出資する「大阪人権博物館(リバティおおさか)」(浪速区)について、2012年度限りで補助金を打ち切ることを決めた。
府も同様に補助金を廃止する方針で、運営費の9割を府市の補助金でまかなっている同博物館の存続は厳しくなった。
この日、12年度本格予算案編成に向けた市長と担当部局の折衝で決まった。12年度は前年度比で2割減の計1億600万円とする。
橋下徹市長は折衝後、報道陣に、「(今年度の補助金は)事業収束に向け、整理してもらうための費用。これが最後だ」と強調した。
リバティおおさかを巡っては、「大阪国際平和センター(ピースおおさか)」(中央区)と統合して「近現代史博物館」として刷新する構想が浮上している。
(2012年6月3日08時43分  読売新聞

 

市立近代美術館についてはほとんど進捗がないようですが、こちらはえらく熱心ですね・・・。

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2012年06月01日

橋下市長が指摘「偏狭なナショナリズムが高まっている」

橋下市長が指摘「偏狭なナショナリズムが高まっている」 

 

橋下徹大阪市長は29日、大阪府市統合本部会議で、子どもに近現代史を学ばせる施設を造る構想に関連し「僕と同世代、下の世代で偏狭なナショナリズムが高まっていて非常に危険だ。特に隣国との歴史を多面的に捉えなければならない」と指摘した。

市長は、中国が領有権を主張する尖閣諸島の問題などを念頭に「表層的な部分だけを捉えて、騒ぎだすようなところも出始めている」と国内の現状を分析。施設での展示内容は太平洋戦争や極東国際軍事裁判(東京裁判)を軸に、中国や韓国、北朝鮮など東アジア諸国と日本の間の歴史的経緯を重視する方針を明らかにした。

市長のブレーンで府市特別顧問の上山信一慶応大教授は教育委員会が所管する教育施設でなく、市長や知事の直轄部局が運営する博物館の形態を提案。中国や韓国の有識者と共同研究ができる場にすべきだとした。

元経済企画庁長官で作家の堺屋太一氏はオイルショックなどの戦後の歩みも必要な内容だと述べた。

会議では、府市特別顧問の橋爪紳也大阪府立大教授を中心に今後、設置目的や展示内容、対象者などの協議を進めることを確認した。
.[スポニチ Sponichi Annex 2012年5月29日 17:39]

 

橋爪さんは、大阪の都市文化、とくに近現代についてお詳しい方だと存じますので、何らかの建設的な協議があることと信じます。

 

しかし、為政者が博物館・美術館を作りたがるのは、近代の一つの特徴かも知れませんね・・・。

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