2013年10月16日

下道基行「torii」@梅香堂

下記のとおり、下道基行君の個展「torii」を開催します。

近年国内外で、多彩な活躍のめざましい下道君ですが、彼の作品の原点はやはり「戦争のかたち」と、この「torii」シリーズと言えるでしょう。

どうぞお楽しみに。


下道基行「torii」

SHITAMICHI Motoyuki –torii

 

2013年11月16(土)日〜2014年1月19(日)日 13:00〜19:00

火・水曜日・年末年始(12月24[火]日〜1月8[水]日)休堂 入堂無料

※オープニング・パーティ 11月16(土)日 17:00〜 無料

協力:nap gallery

下道基行の代表作「torii(2006〜2012年)」の、関西初公開。

かつて日本であったアジア・太平洋各地に遺る鳥居。それらは、本来の宗教的、社会的シンボルとしての機能はもとより、歴史遺産としても忘却され、その地の日常に埋没しています。下道はそれらを発掘し記録するのではなく、同時代のありふれた一風景として静かに見つめなおしています。

みなさまのご来堂をお待ちしております。

下道基行(したみち もとゆき)

m-shitamichi.com

1978年岡山県生まれ。2001年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2003年東京綜合写真専門学校研究科中退。愛知県在住。

近年の個展:「Kart Invitation Program Vol. 4 下道基行展:日曜画家/Sunday Painter」(Gallery Kart/2013)、「成層圏 vol.3 風景の再起動―下道基行」(gallery αM/2011)、「Dusk | Dawn」(nap gallery/2011)、「クリテリオム79:下道基行」(水戸芸術館現代美術ギャラリー/2010)、「RIDER HOUSE」(Midori Art Center/2010)、「Air/空」(梅香堂/2009)。

近年のおもなグループ展:「2013 アジアン・アート・ビエンナーレ」(国立台湾美術館/2013)、「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために」(森美術館/2013)、「あいちトリエンナーレ2013」(東陽倉庫テナントビル/2013)、「超訳 びじゅつの学校」(十和田市現代美術館/2013)、「路上と観察をめぐる表現史─考現学以後」(広島市現代美術館/2013)、「MOTアニュアル2012:風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館/2012)、「第9回光州ビエンナーレ」(光州ビエンナーレ展示場/2012)、「開港都市にいがた:水と土の芸術祭2012」(万代島旧水揚場/2012)、「この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今」(広島市現代美術館/2012)、「再考現学 / Re-Modernologio─pahse3:痕跡の風景」(国際芸術センター青森/2012)、「Emerging Artist Series 02: NOWHERE」(ベトナム日本文化交流センター/2011)、「絶滅危惧・風景」(大阪市立近代美術館[仮称]心斎橋展示室/2011)、「共鳴する美術2010:ストーリー・テリング」(倉敷市立美術館/2010)など。

サイパン・アメリカ合衆国

サハリン・ロシア連邦

posted by baikado at 21:20| Comment(0) | 展覧会のお知らせ

2013年10月15日

「HANARART 2013:アイダカラダ」@大和郡山

台風が近づく中、大和郡山へ。「HANARART 2013」です。

「HANARART」は奈良県各地の町屋や倉など、伝統的な建築を使った地域型アート・イヴェントです。奥中章人君が企画する「アイダカラダ」が先週の土曜日より開催されており、梅香堂に出入りする作家さんたちも参加しているので、行ってきました。

会場は大和郡山市の堺町ゾーン(浅井邸酒蔵・浅井邸ガレージ・堺町の家)とされるところ。

まず、浅井邸ガレージの吉原啓太君の作品へ。吉原君はこの古いトタン張りのガレージの中に一ヶ月以上レジデンスしていたそう。そのレジデンス環境を整えるさまざまな行為を記録した映像が、上映されていました。

吉原君は、「箱」を制作し、その箱を移動(旅)させることによって発生する他者とのイヴェントを作品化してきたのですが、今回は、奥中君によれば「吉原君をガレージという箱に閉じ込めてみた」作品だそう。

確かに、窓や入口をふさがれたガレージは大きな箱をイメージさせます。そこに吉原君は自らの寝室(箱)を作りました。さらにミミズの家(水槽)などもあり、この作品はマトリョーシカのような入れ子構造を備えているといえるでしょう。

そうしてみれば、ガレージ内を動き回るロボット掃除機なども、箱のメタファーなのかも知れません。さらには・・・。

多くは語りませんが、今回の吉原君の作品は、すばらしい奥中君の企画があってこそ実現した佳作といえると思います。

その他、大歳さんや辺口君、水玉君ほかの浅井邸酒蔵・堺町の家の展示もよかった。何より企画した奥中君と参加した作家さんたちとの信頼関係がうかがえ、みな楽しんで展示を行ったことがひしひしと伝わってきました。

時間などの関係で他会場には行けませんでしたが、堺町ゾーンだけでも見応えはありました。お時間があればぜひ(10/20まで)。

posted by baikado at 21:46| Comment(0) | 美術

2013年10月14日

「このはなの日2013」無事終了/花代展残り二週間

10/12、13に開催された「このはなの日2013」は、両日とも好天に恵まれたこともあり、(少なくとも梅香堂は)昨年を上回る人出でした。

お忙しいところ、ご来場いただいたみなさまに御礼申し上げます。

昨年までの「見っけ!このはな」から「このはなの日」にタイトルを変え、運営メンバー的には大きな変化はないようですが、政岡土地さんや阪神電鉄さんのような大スポンサーを得ずに開催された今回は、規模は小さくなったとはいえ、各人各スペースがそれぞれの展示やイヴェントなどを行ったことで、決して過去の催しに見劣りするものではなかったように思います。

とくに、今回は外部からのゲストなどをほとんど呼ばず、梅香・四貫島地域の関係者のみで開催したことで、より「地域性」が際立ち、よかったと思いました。

無理に動員・集客を図って手を広げて、あちこちでイヴェントなどを行うと、結局お客さんも分散してしまい、虻蜂取らずになってしまうことがあるからです。

とにかくお客さんにも楽しんでいただけたようでよかったです。実行委員の方々、関係者のみなさま、お疲れさまでした・・・。

引き続き梅香堂では、花代 写真展「灰色区域」を開催中です。会期も折り返し、残り二週間となりました(10/27まで)。10月に入ってお客さんも増えてきたようですが、「まだまだやっている」と思い込んで、お見逃しにならないよう。

みなさまのご来堂をお待ちしています。

posted by baikado at 17:06| Comment(0) | 梅香堂

2013年10月04日

六甲ミーツアート2013/ニュートラル・プロダクション@ギャラリーあしやシューレ

今年も六甲ミーツアートに行ってきました。天気がちょっと心配でしたが、何とか持ちました。

六甲ミーツアートも今年で四回目。目新しさはなくなりましたが、落ち着いて見て回れます。

全体によい意味で、「肩の力が抜けた」作品が多い。各作家さんがこのイヴェントの趣旨をよく理解して展示されているのが分かります。泉太郎のどこか「脱力系」の作品がそれを象徴しているようです。

こうした地域イヴェントも、観光主眼と作品主眼の二極化が進んでいますが、当イヴェントは前者の好例でしょう。その両者を追わない姿勢は賢明です。

これから六甲山は寒くなりますし、紅葉のシーズンは混みあうものと思われます。早めに、好天の平日に見に行かれることを強くおすすめします。

とくに雨やガスっている日は絶対におすすめできません。

また車で行かないと、各会場間の移動はなかなか大変です。すべての作品を見ようと意気込まないで、無理のない範囲を見て回られるのがよいと思います。11/24まで。

帰りにギャラリーあしやシューレさんへ。はじめて伺ったのですが、市街地にあるきれいで個性的な空間のギャラリーさんです。

富山を拠点とするニュートラル・プロダクションの「レゾン・デートル」を開催中。彼らには前々職でお世話になったことがあります。

細かなビーズをファンでコントロールし、そこに映像を当てるいわゆるメディア・アート作品。たいへん美しい作品ですが、この「美しさ」を超えた何か、まさしく「レゾン・デートル」な表現をどう深化させていけるのかが、これからの課題でしょうか。

サウンド・インスタレーションとしてもなかなかの力作ですので、六甲の帰りにぜひ。10/6まで。10/5にはCASの笹岡敬さんとトークがあります。

posted by baikado at 11:25| Comment(0) | 美術

2013年10月01日

野村仁展@アートコートギャラリー/荒木みどりM←→mヨシダミノル展@ CAS

まだまだ日中は暑い大阪ですが、空は秋らしくなりました。

桜ノ宮より歩いてアートコートギャラリーさんへ。「野村仁:身体/知覚 又は 私を<私>とおもう私」です。

野村さんは1970年代より活躍された作家で、いわゆる戦後日本の現代美術の第二世代のお一人。5〜60年代より活躍された第一世代がもつ、カリスマ的なエネルギーではなく、一貫するどこか醒めた表現が特徴的です。

今回は1975年に制作されたという写真作品「age: M→F」シリーズおよびそれを1978年に再撮影したらしいヴィデオ・ヴァージョンの再構成と、新作ほかによる個展です。

通覧して、「難しいなあ・・・」という印象。最近の作家さんの作品によく見られる、思わせぶりな難解さではなく、本当に?難解。

翻って見れば、私のように予備知識や先入観があるものが見るから、難解に見えるのであって、一般の方には意外と、今風?の現代アートに見えるのかも知れません。

もしかすると、そのあたりが、ちょっと意地悪な野村さんのコンセプトなのかも知れませんね・・・(10/19まで)。

なんばのCASさんへ。「荒木みどりM←→mヨシダミノル展」。

懐かしいお名前です。

本展もまた難解な展覧会ですが、さすがにヨシダミノルさんは第一世代の作家さん。同じ難解さにもカリスマ性というか、心地よい?オーラが感じられます。

これは作家や作品のせいだけではなく、展覧会の企画者の違いによるものかも知れません。

最終日の17:00より、ヨシダミノルさんの貴重な作品(楽器?)を使った、「現代家族パフォーマンス」 出演:荒木みどり、吉田省念、吉田朝麻 料金:¥500 が予定されています(満員の場合は入場をお断りする場合があるそうです)。

伺えないのが残念・・・(10/26まで)。

posted by baikado at 22:57| Comment(0) | 美術